出典:http://slim-love.com/stomach-diet/4722
にんにくの歴史は古く、紀元3000年も前から薬として愛用されてきました。
古代エジプトでは、にんにくの疲労回復効果を利用してあの大きなピラミッドを作ったと言われています。
つまり、にんにくは立派な民間薬だったのです。
実は、日本でも源氏物語ににんにくが登場しており、極暑の薬草として夏バテ予防として使われたそうです。
つまり、にんにくは歴史的にも信頼性のある食材というわけです。
歴史的に古い食材ということは、長年の実績があり、その効能や効果も実証済みだということです。
にんにくは、本当に体に良い食材なのですが、その体に良いにんにくを熟成して仕上げたのが、『黒にんにく』というわけです。
黒にんにくとは、白いにんにくを高温・高湿という環境のもとで、約1か月間熟成させてつくられたものです。
長時間熟成されることで、にんにくは添加物を一切使用しないで自己発酵して、黒くなるのです。
黒にんにくは熟成・発酵されていますので、糖度が増して、まるでドライフルーツのような食感になります。
黒にんにくは熟成されたことによって、2つの特徴が生まれました。
1つめの特徴は、黒にんにくには臭いがありません。
黒にんにくは熟成させることで、 にんにく臭の原因であるイオウ化合物を除去することに成功しました。
それにより、臭みがなく食べやすくなっただけではなく、毎日食べても口臭が気にならないということです。
ニンニクは好きだけど口臭が気になるという方には、黒にんにくはお勧めというわけです。
2つめの特徴は、新成分「S-アリルシステイン(水溶性含硫アミノ酸)」が生成されました。
「S-アリルシステイン」とは、ポリフェノールの一種で、普通のにんにくには含まれていません。
しかし、にんにくを熟成させた黒にんにくには「 S-アリルシステイン」が生成され、新たな効能を引き出したことになります。
つまり普通のにんにくを食べるよりも、黒にんにくを食べた方が何倍も身体に良いということです。
因みに「S-アリルシステイン」の効能を一部あげると、コレステロール低下や抗酸化作用にあります。
これは、サラサラ血を保ちながら、酸化体質を防ぐ働きがあるということです。
目次(クリックできます)
【黒にんにくに含まれる栄養素】
黒にんにくは、抗酸化力が通常のにんにくより約10倍も高まり、がん予防効果のある「S-アリルシステイン」、「ポリフェノール」、「アミノ酸」などの成分も数倍から数十倍にまで増加することも確認されています。
他にも、タンパク質や糖質、ビタミンやミネラルなどをはじめ、含硫アミノ酸の「シクロアリイン」、強力な殺菌力があり、元気の源になる「アリシン」、滋養強壮剤成分の「スコルニジン」など、多くの有効成分が含まれています。
つまり、黒にんにくは、白にんにくよりもパワーアップした発酵食品です。
【黒にんにくの効能】
抗酸化作用が強まる
通常のにんにくにも抗酸化作用はありますが、熟成させた黒にんにくは、更に抗酸化作用が強まると言われています。
これは、黒にんにくに豊富に含まれるS-アリルシステインによる効能であると推測がされています。
またポリフェノールが増加したことも一因と考えられますが、何故ポリフェノールが増えるのか、そしてどのポリフェノール成分が増加しているのかは明確になっていないようです。
免疫力を高める
黒にんにくの効能として、免疫力を高めることが注目されています。
黒にんにくには通常のにんにくの効能に加え、抗酸化作用が強まるので免疫力が高まることは想定できますが、注目すべきは免疫細胞を活性化する働きがあることです。
佐々木元弘前大学教授の研究報告によると、黒にんにくには免疫細胞、特にNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化する現象が確認されたということです。
NK細胞とは通常の免疫細胞とは異なり、免疫プロセスを経ずに有害物質を攻撃する細胞で、ウィルスや腫瘍などの排除に威力を発揮します。
このNK細胞を活性化させる働きは黒にんにくによって増加したS-アリルシステインによる効能と考えられています。
抗癌作用が強まる
黒にんにくが一番注目されたのは、癌予防効果です。
通常のにんにくにも抗癌作用の効能は確認されていますが、黒にんにくは更に強い効果が見込めると言われます。
黒にんにくが持つ抗酸化作用と免疫力向上作用は共に癌(がん)予防に効果的な働きで、特にS-アリルシステインの持つNK細胞を活性化させる効能は癌(がん)細胞を抑制するのに効果的です。
黒にんにくの癌(がん)に対する研究報告は複数あり、現在も研究が続けられているようです。
そのほかの効能は・・・
- 精力がアップする
- 風邪予防になる
- インフルエンザ予防
- ノロウイルス予防
- 老化防止になる
- 活力・元気がでる
- 疲労回復する
- 寝起きが良くなる
何かと疲れを感じる現代には、黒にんにくはもってこいの食材です。
コンビニでは疲れをとるための栄養ドリンクがたくさん売っていますが、しかし身体に悪そうな化学薬品ばかりです。
そんなものを10本飲むよりも、自然でできた黒にんにくを1つ食べた方が、身体に良いですし、効果抜群だと思います。
【黒にんにくの食べ方】
黒にんにくの食べ方は至って簡単です。
多くの場合は、皮を剥いてそのまま食べます。
にんにく特有のニオイや刺激が無いばかりか、甘く干しブドウやプルーンといった食感なのでとても美味しく食べられます。
食事のつけ合わせでそのまま食べてもいいですし、おやつやお酒の肴にもなります。
美味しいので何個でも食べられてしまいますが、やはりニンニクですので多くは食べてはいけません。
黒にんにくの大きさや種類にもよりますが、1日1片~3片ぐらいにした方がよさそうです。
【黒にんにくの料理方法】
黒にんにくはクセが無いので、料理の材料としても利用できます。
基本的にはどんな料理にも合います。
黒にんにくをみじん切りにすれば、炒めものから煮物に使えます。
一番手軽なのが、黒にんにくをスライスしてトーストやサラダ、パスタの具材にすることです。
その他、にんにく同様、黒にんにくをオリーブオイルや醤油に漬けて調味料にすることも可能です。
子供に食べさせたい場合は、黒にんにくを刻んでカレーや餃子に入れるのが定番のようです。
にんにく特有のニオイや刺激がなく、カレーや餃子にもコクがでて子供に気付かれず美味しく食べてくれるようです。
黒にんにく醤油 (煮物、和え物、野菜炒め、ドレッシングなど)
- 黒にんにく 1玉
- 醤油 1カップ
- 酒 1/2カップ
材料をすべてミキサーにかけ、ペースト状になったら完成です。
黒にんにく焼肉のたれ (通常のにんにくで作るよりもマイルド)
- 黒ニンニク 25g
- 生姜 20g
- 玉ねぎ 60g
- りんご 1/4個
- 醤油 200cc
- 味噌 大匙1
- 砂糖 大匙3
- はちみつ 大匙2
- すりゴマ 5g
すりゴマ以外の材料をミキサーにかけ混ぜ、仕上げにゴマも加えて完成。
黒にんにくステーキソース
- 黒にんにく 10かけ
- 玉ねぎ 1/2個
- 小麦粉 小匙1
- 水 100ml
- ケチャップ・酒 各大匙2
- 蜂蜜・醤油 各大匙1
- あらびき黒胡椒 少々
黒にんにくドレッシング
- 黒にんにく 8片
- タマネギ 1玉
- バルサミコ酢 50ml
- 米酢 50ml
- サラダ油 100ml
- だし醤油 大さじ1
- 塩 小さじ1
- 砂糖 小さじ1
- レモンの搾り汁 少々
- 黒胡椒 少々
【黒にんにくの作り方】
黒にんにくは、手作りで意外と簡単にできるのです。
市販されているものは独自の製法があったり、じっくり熟成して作られている場合が多いので、手作りの黒にんにくより味や栄養成分などの面で品質が良いと思われますが、自家製の黒にんにくには保存料や添加物の心配をしなくて安心・安全というメリットもあります。
黒にんにくの作り方の前に、いくつかポイントを紹介します。
黒にんにくの作り方のポイント
炊飯器を使う
市販の黒にんにくは専用の熟成箱等を使って製造していますが、手作りの黒にんにくを作るには炊飯器を使うのが定番となっています。
しかし、黒にんにくを作っている間はご飯を炊けないのとニオイが付いてしまうので、黒にんにく専用の炊飯器が必要になります。
新しく炊飯器を買おうと思っている方は、炊飯器でなくても保温専用の電子ジャーでも大丈夫です。
また、黒にんにくを熟成させるのに炊飯器の保温機能を使いますが、炊飯器によっては一定時間を過ぎると保温が自動的に切れてしまうものがあるので、その場合は随時スイッチを入れ直す必要があります。
ニオイに気をつける
黒にんにくを作ること自体はそれほど難しくは無いのですが、一番の難関はニオイの対策です。
熟成した黒にんにくは殆ど臭いませんが、黒にんにくを作る過程ではかなりニオイが散乱します。
作り始めてから5日間くらいはニオイが発生しますので、ニオイが迷惑にならない場所の確保が必要になります。
多くの人は庭やベランダで作る場合が多いようです。
水分量に気をつける
多くの場合気にする必要はありませんが、失敗するとしたら水分量の部分です。
水分量が少ないと、固い黒にんにくになってしまって食べられません。
逆に水分量が多すぎると食べられないことはありませんが、ベチャベチャした感じになってしまいます。
基本的に水はにんにくに含まれる水分と洗った時に付く水ぐらいで、改めて水分を付け足す必要はありません。
つまり水分が左右されるのは、「にんにくに含まれる水分量」と「炊飯器の性能」ということになります。
「にんにくに含まれる水分量」は、にんにくの収穫時期(5月~7月)にとれた新物のにんにくは水分が多く、手作り黒にんにくには適していません。
乾燥処理を終えた9月ぐらいのにんにくは水分が少なく、あまり水分を気にせず手作り黒にんにくを作ることができます。
「炊飯器の性能」に関しては、炊飯器をごとに違うので試しながら作るしかありません。
炊飯器よりも、保温専用の電子ジャーの方がうまくできる傾向にある感じがします。
炊飯器を使った黒にんにくの作り方
①一株丸ごとのにんにくを軽く洗う。
そして、炊飯器の底にザルや簀の子などを置き、にんにくを包めるように新聞紙やキッチンペーパーを置くきます。
②にんにくを一株丸ごと炊飯器に入れる。
※敷き詰めて入れても大丈夫です。
③炊飯器を保温状態にする。(10日間~2週間ほど保温状態を続ける。)
最初の5日間くらいはにんにくのニオイが充満します。
炊飯器によっては加熱箇所にムラができる場合があるので、半分ぐらいの期間でにんにくを上下にひっくり返します。
初めての場合は味見しながら水分量をチェックして、乾燥しすぎないようにしましょう。
炊飯器の底に水が溜まっているような場合は、水を捨てます。
期間やムラ、にんにくの水分量は炊飯器によって異なりますので、試しながら最適な方法を見つける必要があります。
④保温を止め、炊飯器からにんにくを出します。
黒にんにくの出来上がり。
更に、常温で10日間ぐらい熟成するとより美味しくなることがあります。
【驚きのパワー!黒にんにくの効能と食べ方まとめ】
上記で述べたように免疫力をアップさせたり、疲労回復や滋養強壮、生活習慣病予防など様々な健康効果を持つ黒にんにくですが、これだけいろんな効果があると「副作用もあるのでは?」と心配する方もいるでしょう。
しかし、黒にんにくは薬ではなく健康食品なので、主作用がない代わりに副作用もありません。
ですが副作用という定義には当てはまらないものの、黒にんにくも摂取する目的以外の症状が現れることがあります。
それは、摂取過剰によって引き起こされる胸焼けです。
黒にんにくは発酵熟成されているので、にんにくとは違って普通に食べる分には胸焼けが起きることはありません。
しかし食べ過ぎてしまうと胸焼けが起きてしまうことがあるので、言ってみればこれは副作用ともとれるでしょう。
どんなに健康効果がある食品でも適量というものがありますから、黒にんにくも適量を守って摂取する分には何も問題はありません。
一度にたくさん食べることより、毎日継続して摂取することが健康効果につながるので、適量を守って日々の生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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