クコの実は、ナス科クコ属の果実で、目を引く綺麗な赤を彩として中華料理やデザートのアクセントとして使われることが多いです。
中医学で古くから利用されていた食材で、生薬として果実「枸杞子」だけではなく、葉の「枸杞葉(天草精)」、根皮の「地骨皮」と、余すところなく使われます。
クコの実には、血圧や血糖の低下・抗脂肪肝・精神の強壮作用・血行改善・眼精疲労の回復・免疫機能調整などの効果があるとされています。
日本では、少し前まで「杏仁豆腐の上に乗っている赤い実」などの認識でしたが、大手化粧品メーカーの資生堂がクコの実の美白効果を発表したことや、世界のセレブ達がエイジングケアに取り入れていることが話題になり、食事に取り入れる女性も増えています。
日本ではアサイーが有名ですが、クコの実も「ゴジベリー」と呼ばれ、アサイー同様に「スーパーフルーツ」として世界中で注目されています。
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スーパーフードってなに?
- 栄養面で優れ、特定の有効成分の含有量が飛び抜けて高いもの
- 少量で栄養素と健康成分を効率的に摂れる低カロリーのもの
- 抗酸化作用が高いもの
- 老化防止や生活習慣病の予防によいもの
- がんのリスクを遠ざけるもの
以上の条件が揃った食材がスーパーフードと呼ばれています。
【クコの実の主な栄養素と効果】
クコの実には、100種類の栄養(ミネラル・ビタミン等)が含まれているとされ、カロテノイドやビタミンC、ビタミンB1・ビタミンB2・リノレン酸・アミノ酸・鉄分やカルシウムなどの各種ミネラル、食物繊維、ポリフェノールなど、美容にも健康にも嬉しい成分がみっしりと詰まっています。
老化防止・美肌効果
クコの実の美肌効果については、化粧品メーカーの資生堂が発表したことで注目を集めるようになりました。
クコの実に含まれるβカロチンやビタミンC、タンニンには抗酸化作用があり、シミやしわ、そばかすなどを予防して若々しい肌を保つ効果があります。
またクコの実に含まれるビタミンCやタンニンは、シミの原因であるメラニン色素を生成するチロシナーゼという酵素の働きを抑制してくれます。
また、クコの実にはコラーゲンを構成するヒドロキシプロリンを合成する働き(コラーゲン生成促進効果)があることも分かっています。
さらにクコの実のエキスにはコラゲナーゼ活性阻害作用があることが報告され、体内のコラーゲンを守るという働きも期待されており、生成促進と減少防止ダブルの機能でシミやシワ、たるみなど肌の悩みを解決してくれる美容食材としてますます注目が高まっています。
冷え解消・代謝アップ
クコの実に含まれるルチンやヘスペリジンには、血管を強化し血流をスムーズにする働きがあるため、血行不良から引き起こされる冷え性や肩こり、腰痛の改善が期待できます。
鉄分も含んでいるので貧血の予防改善効果や、巡りが悪いだけでなく血液自体の不足から起こる冷え・めまいなどの改善にも効果が期待できるでしょう。
またクコの実には糖質の代謝を促進するビタミンB1や脂肪の燃焼を促進するビタミンB2、脂肪の蓄積を防ぐベタインが含まれており、疲労回復や代謝促進効果が期待できます。
女性のホルモンバランス不調に
クコの実に含まれる植物ステロールのβ-シトステロールという成分は、コレステロールの吸収阻害以外にホルモンの働きに関わる作用を持っています。
女性のPMS(月経前症候群)、更年期症状の予防や緩和に効果的であるとの報告もありますから、ホルモンバランスの乱れによる女性の不調の改善にも効果があると言えるでしょう。
また、男性の薄毛、前立腺肥大の予防改善、炎症を抑えるためにも有効であるとの報告が多数あります。
現代人の目の疲れに
クコの実は「飲む目薬」と言われるほど目に優しい食材でもあり、β-カロテンやゼアキサンチンなど豊富なカロテノイドの働きで、視力低下や白内障、緑内障などの予防に効果的です。
ゼアキサンチンによる目の網膜を保護する働きも認められています。
ダイエット効果
クコの実に多く含まれているビタミンB2は脂質の代謝効果があり、脂肪の燃焼のサポートの役割があります。
またベタインが肝臓へ脂肪が沈着するのを防ぐとともに、脂肪の排出を促進する作用があります。
食物繊維は、腸内環境を改善して便秘を改善する効果があり、これらの成分がダイエットに効果があると言われています。
また、糖質や脂質などのエネルギー転換促進(代謝向上)と血行促進効果によりダイエットのサポートととしても役立ってくれるでしょう。
生活習慣病の予防・改善
ビタミンCには血圧を正常に保ち血中の悪玉コレステロールを減らす効果があり、βシトステロールも同様に悪玉コレステロールを減らします。
ルチンは、毛細血管の弾力性を保ち血流を良好に促す働きがあり動脈硬化などに効果があり、また血管収縮作用もあり高血圧の予防、血圧降下作用があります。
これらの栄養成分の作用が高血圧や動脈硬化などの生活習慣病に効果が期待されています。
胃の健康や肝機能を高める効果
ベタインには、胃液の酸度を調節する働きがあります。
胃の健康を保つ効果があるだけでなく肝臓への脂肪の蓄積を防ぐ働きがあり、脂肪肝の予防や肝機能の向上により、脂肪肝から肝硬変や肝炎、肝ガンへの進行を抑制する効果が期待されます。
どうでしょう。
クコの実の優れた効能について紹介しましたが、実際にクコの実ってどうやって食べたら良いのかピンと来ない方も多いと思います。
次に、クコの実の調理ポイントや注意点について紹介します。
【クコの実の調理ポイントや注意点】
出典:http://dt125kazuo.blog22.fc2.com/blog-entry-3726.html
クコの実はナス科に分類されるため、ドライフルーツのような甘さはなく、そのまま食べるとかなり好き嫌いが分かれます。
苦手な方は濃い目な味付けの料理に入れるなどすると良いでしょう。
クコの酢漬け
クコの実を酢とハチミツに漬け込み1~2日置いたものです。
疲れ目解消・老眼予防に効果があるとされます。
(クコの実も捨てずに食べる)
クコの実のスープ
クコの実と鶏肉を煮込んでスープにする事で、月経中の足腰のだるさ、めまい、鈍い生理痛に効果的とされています。
ヨーグルトと共に
ヨーグルトにフルーツグラノーラとクコの実を入れれば、乳酸菌と食物繊維と鉄分も一緒に摂れるのでおすすめです。
クコの実酒
クコの実を1袋(約250g)をウイスキーのビンに入れて漬け込む。
漬け込みの目安は1ヶ月程度です。
クコの実のはちみつ漬け
クコの実を1袋(約250g)をはちみつに漬ける。
クコの実はちみつは、トーストやヨーグルトにおすすめです。
また、おかゆやスープ、ラーメンなどの温かい汁物に入れると、実が柔らかくなって甘みが増すので食べやすくなります。
ちなみにミランダ・カーはスムージーに入れて飲んでいるようですよ。
クコの実の効果がより期待出来る食べ合わせ
- クコの実+黒米・ブロッコリー・トマト⇒老化防止効果
- クコの実+杏仁霜・ヨーグルト・かぼちゃ⇒美肌効果
- クコの実+ブルーベリー・キクの花⇒疲れ目改善効果
- クコの実+サクランボ⇒虚弱・めまいの改善効果
【クコの実の副作用・注意点まとめ】
クコの実は、先程紹介したようにナス科の植物ですが、ナスは適量であれば健康に良いものの過剰に摂取すると体を冷やし、腹痛や下痢を起こす場合もあります。
その為、クコの実の副作用としてお腹が痛くなる可能性があるので注意が必要です。
クコの実の1日の摂取量は、多くのブログなどで3g(20~30粒)程度と書いてあるのをよく見かけますが、これまで杏仁豆腐に乗っているクコの実しか食べたことがないような人や、胃腸が弱く下痢をしやすい人は、1日5粒程度から始めたほうが良いです。
ちなみに、楊貴妃は美しさを保つために1日3粒のクコの実を欠かさなかったというエピソードがあります。
3粒で効果があったのであればそれほど食べなくて良いのかもしれませんね。
また健康に良い成分と言われるベタインですが、月経促進や人工中絶薬としての作用もあると疑われているのため、妊娠中や授乳中の摂取は避けた方が良いと言われています。
どんなに健康に良い食べ物でも、過剰に摂取するのは体に悪いと言われています。
特にクコの実は、小さい1粒に栄養がしっかり含まれているのでそれほど多く食べる必要はありません。
炭水化物やたんぱく質が多く意外と高カロリーなので、食べ過ぎに気をつけた方がいいようです。
しかし、クコの実の健康に与える効能は立証されているので、適量を守って摂取し、普段の生活から取り入れてみてはいかがですか?
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